CL安田 SL佐藤章 清水
三面スーパー林道が三面ダムから奥三面ダム入口まで 通行止めのため、小国町からワラビ峠経由で 8月12日夜、猿田野営場に到着意外と涼しい。 満天の星であった。
今回の計画は石黒沢を下り猿田川を渡渉して 尾根に取り付き山越えで、泥又川に下り 遡行して、東俣沢を詰め西俣沢に下り 山越えでアカイ沢下り猿田川を渡渉して 車に戻るというものであったが・・・
結論から言うと14日の夜中に鉄砲水に会い カメラなど大切なものを流され 決死の思いで15日に下山しました。
カメラを失ったので 清水さんの撮った写真しかありません。 防水カメラではないので肝心のところが 抜けています。
8月13日快晴



半狂乱で、尾根に取り付くが 暑さとアブに参りバテてしまう。 上に行くほどアブは少なくなってくる。 山越えをして泥又川に下る。



非常にバテたので 今日のテン場は大明神の滝の手前の ゴルジュの入口あたりにしよう。
右岸の河原の高くなった場所を整地して テン場とする。 焚き火をして夜を楽しむ。
8月14日
今日は東俣沢の奥まで行く予定であるが 朝から強い雨が降り出し、様子を見る事にする。 みるみる沢は増水してくる。雨は止みそうにない。
水かさは増し続け、テン場に迫ってきたので 斜面に逃げ10mほど登ると 3人が座れる平らな場所があったので 薮を切り開きタープを張る。 今日は停滞だ。
アブや薮蚊に悩まされながら 1日を過ごす。
夕方雨も上がり水も引いたので 下に降りる。結局テン場まで水は来なかったようなので タープをテン場に張りなおす。
目の前の淵で清水さんが岩魚をどんどん釣る。


雨がまた降り出す。 強い雨がタープをたたくが すぐに寝てしまう。
水位を確かめないとと思うが また寝てしまう。
何回も繰り返した。 ・・・・・と、佐藤さんが水が増えてきたと叫んだ! 飛び起きて枕もとのヘッドランプを探すが 見つからず
水が迫ってきたので在るものを 斜面の下に移そうとするが あっと言う間に水に浸かってしまう。
とにかく何でも斜面に放り投げる。 脚は素足で水に浸かったままだ。 幸い靴は全員無事であった。
私はカメラやハーネスが流されていた。 食料は大丈夫だ。
土砂降りの中、昼間切り開いた場所に登り タープを張る。
びしょ濡れで夜明けを待つが、雨は断続的に強く降る。 夜が明けて周りが明るくなるが 沢の水はなかなか引かない。 10時ごろ雨も上がってきたが 水位は少ししか引いていない。
地図を見るがこの場所から山越えするには 地形が複雑で稜線までかなりある。 もう少し沢を下ってから山越えすれば 最短距離で越えられる。
しかし山越えできても、最後に猿田川の徒渉という 難関がある。川幅があるので増水していると 徒渉は無理だ!
タイムリミットとして12時半に徒渉できるほど 水が引いていなければまた停滞だ。 悶々と過ごす・・・
また雨が強く降る。
12時20分、沢に降りてみる。 目の前の淵は土砂で埋まっている。 う~ん、スクラム徒渉なら下れるかもしれない。 下山の決断をする。
何とかスクラム徒渉で沢を下り尾根に取り付く。 アブがうるさい。 強い雨が降る、これでは猿田川の徒渉は無理かもしれない!
ピークに出て、稜線を南下する。 迷いながら、戸立沢に下りる。



もう少し上流に行くと川が曲がっている場所があり ここは河原が露出していて、ザイルでビレイしながら 徒渉できそうなので、屈曲部から出っ張った岩場まで 泳ぎそこにアンカーを作る。
そこから清水さんをビレーして渡渉してもらう。 流れは強いが幸い深さは腰までで、 対岸まで渡りきる事ができた。
スクラム徒渉はとても無理だった。 対岸でザイルをフィックスしてもらい ザイルにヌンチャクをかけて佐藤さんが渡る。 次に対岸から私をビレーしてもらい渡る。
全員渡りきった時薄暗くなっていた。 この間アブに刺されまくる。
林の中を藪漕ぎ、スーパー林道にあがり 全員で握手。
車を回収して、猿田野営地でビバーク。 ビールで乾杯! う~ん、いいトレーニングになったなぁ~。