奥多摩・小川谷・カロー川谷 (2007年6月17日)

CL佐藤(章) 清水 他2名
気象庁によると関東地方は入梅、当然週末は雨模様と思いきや、どうしたことか木曜日から良い天気になってきた、予定通り沢登りへ。
車で集合場所の相模原に向う。何処も彼処も渋滞していたが、集合地点の相模原からは渋滞は無く、町田街道から奥多摩にぬけ、 心地良くテンバに着いた。

今回は人数が少ないので小さめのテントにしたが、ランタンを灯すと、真夏のようにテント内は暑い、夏は大きいテントに限る。
虫が多く、タープにはランタンの光に誘われて、あらゆる種類の虫たちが夜祭の花模様と、タープいっぱい咲いている。 まるで華やかなパラソルみたいだ。

やがて気温も下がり、どこかへ。いつも美味しい肉を持ってくる氏、何かごそごそ探し物をしている。
「ああー、ガスボンベを忘れてしもうた!電話しようかな、せっかくいい肉を持ってきたのに。」
此処は圏外、携帯は通じずコンビニも遠いし、すでに祝杯を挙げてしまった。 卓袱台には寂しく肉が鎮座している。

17日は6:30起床 快晴、良い天気だ!
ガスボンベが無くとも、たまたまコビニで買ったのが、冷やしウドン、ソバだったので手間いらずの朝食を済ませて準備にかかると、朝集合の二人が到着。テントを畳むのを手伝って貰う。一台を登山用の日原町営駐車場に止め、目的地の「カロー橋」へ。
適当なところに車を止め、いざ!入渓。


沢には小紫陽花が可憐に咲いている。


最初の3メートル滝にかかる。キラキラと沢に注ぎ込む、木漏れ日。流木が輝いている。ここは左岸から。


次は「くの字」に曲った滑り台のような小滝、 両足両手を踏ん張り、ヨッチヨッチと進む。


暫し、開けた谷あいを歩き、左にカーブすると谷がせばまり、小さな滝や、釜が続き、やがて、ヌルヌルの滝。最初の滝、F1(5m)が現れる。足場が悪そう、福島がリード。右岸を直登する。後から続いて登ったが、足場の確保が難しい。本当に滑る。


石積みの堰堤を越え、F2(7m)の上部で登山道が木の橋にであう、F3(6m)は、福島・清水が右岸から越える。途中、つり人が。登山道に逃げる。やがて写真家が通う30メートルの大滝に突き当たる。高くそびえる滝口から、水が勢いよく落下し、途中で水滴が粉々に破壊され、滝壺の空間が太陽に反射し、輝いた霧状になった、大地の気を吸い込んだ水滴が、滝壺や、われわれを包み込むように舞っていた。下の滝壺には大蛇がうずくったように倒木が散乱している。直登不能。





少し戻って、右岸にある巻き道を登り、上りきる少し手前の分かれ道風?を右へトラバースぎみに行き、下降(思いのほか、悪い)。滝上に降り、再び遡行開始。まもなく二俣になり、右を行く。しばらくして、水流が無くなりガレ場が続く。次の二俣は、左へ。続いて現れた二俣を右へ。大きなチョックストーン状の滝を右のクラックから越えて。どこに次の核心部2段13メートルの滝があるの?と疑問を持ちながら進む。しばらくすると、2段13メートルに行き当った。ここが最後の核心部。



後ろを振り向くと若い男性二人が追いつてきた。彼らは右岸の壁を登った、後で聞くと大学の山岳部らしい。此処も福島が水流の右からリードする。ヌルヌルで非常に悪い、ホールド・スタンスとも、よく見なければ、なかなかのもので、岩トレの必要を実感する。傾斜も、高度感も最高。


一段目を登り切ると板状の岩がある、岩が剥がれやすそうだ。福島が気合を入れて、慎重に右岸を直登し、後続が行く。落石に注意。


2段目を登ったら獣道があった。そこからはひたすらガレ場を登り稜線をめざす。


程なく、登山道に到着。 遡行完了。
遡行道具をリュックへ。 おつかれさまでした。

稜線を天目山方向にハンジョウ尾根がある方向(左)へ、登山道を進む。と、林班界票・奥多摩分区18/16の看板、其処の左側にあるのがハンギョウ尾根だ。モノレールと平行して下山。


沢音が聞こえだすと小川谷林道が見え、林道を歩いている下山中の登山者2人が見えた(少し、同行させていただいたが、70代の男性で、非常に足が強い、山の先輩。若々しくて、山の偉大さを感じさせていただきました。)。林道に降り着き、車止めへ。林道にはモミジイチゴがたわわに実っている。遠慮しがちな自然の甘酸っぱい恵みを、ちょっとだけ頂いた。この黄苺は猿・熊の大好物だそうだ。


天候にも恵まれ、13mの滝も登れたし。言うことなしか!!
ガスボンベ・・・・?!!