CL安田 佐藤(昭) 他2名
お盆の山行は毎年飯豊か朝日に行っていたが、今年は気分を変えて 北アルプスの沢に行くことにした。2006年8月12日
前夜、新穂高温泉に到着、翌朝福島さんと合流する。 車1台を駐車場にデポし、金木戸川へと向かう。 双六ダムを過ぎゲートに近くなると林道脇には車が並んで駐車している。 何とか空いたスペースを探し駐車する。 支度をして出発。
分け入っても分け入っても青い山(山頭火)
雷がゴロゴロと鳴ってくる。 雨もぱらぱら降ってきた。 何とか増水するまでに本流を徒渉したい。 車止めから3時間ぐらいで小倉谷出合いに到着する。

小倉谷は北アルプス特有のエメラルドグリーンの美しい流れである。




魚も走っている。 5mの滝を右岸から巻き尾根を下りると左岸から人が降りてきた。 見上げると3人が上にいる。 話をすると、左岸から巻いたそうだ。 地元の山岳会の人達だった。
この先迫力のある15mの滝を左岸から巻く。 下りると河原になっている。 平らな場所があったのでここをテン場にする。 地元のパーティーはもっと上流でビバークするそうだ。
満天の星の下 焚き火の炎は高く上がった。
2006年8月13日
二日目今日は核心の大ゴルジュ帯が待っている。 テン場を出発してしばらくは ゴーロが続く。 そしていよいよ大ゴルジュ帯に入る。 入口は20mの瀞だ。
6mの滝が先にある。 先行パーティーに追いついた。 空身でザックピストンをしたようだ。 流れを見ると緩そうなので、福島さんと佐藤さんにザックをしょったまま 泳いでルート工作をしてもらう。
滝の下の岩に取り付いたのを見て 真由美さんもザックをしょったまま泳いでもらう。 ザックピストンなしなので あっと言う間に滝の上に上がってしまう。 まだ先行パーティーがいたので、先に行かせてもらう。


次に5m滝が現れる。 釜を泳いで取り付くが、水中から立ち上がるのに 苦労する。残置のスリングがかかっている。 そこから滝を登る。 ここにも残置のハーケンが2本あった。 福島さんの見事なリードで越えることができた。








ここは左の小尾根を登りトラバースして巻く。

本流は右だが直登不能なので左の滝2段30mを登る。


開けた空からは強烈な紫外線が降り注ぐ。 息つく暇なく3段40mの滝が現れる。 が、悲壮感は無い。 あくまでも沢旅だ! 待ってましたとばかり福島さんがリードで登る。 1段目はハーケン2本でランニングを取る。




小滝の釜の脇にスペースを見つけ整地する。 すばらしいテン場になった。 流木を集めていると地元パーティーが追い抜いて行った。 まだ先に進むようだ。何度か来ているようなのでよいテン場を知っているようだ。
焚き火を囲んで楽しく語らう。 標高2000mあるが、寝ていてそんなに寒くなかった。

2006年8月14日
3日目、テン場を出発小滝を越えて進むと先行パーティーが出発するところだった。 なかなかよいテン場だ。
少し進むと20m滝に出合う。

そんなに難しい登りではないが 我々の方針は安全第一なのでザイルで慎重に登る。



小刻みに休みながらトラバース道に到着する。 20分ほどで笠ヶ岳山荘に到着。 地元パーティーはビールで乾杯していた。 感じのよい人達だった。
お盆なので次々と人が行き交う。 着替えをして笠ヶ岳山頂に向かう。
もりもりもりあがる雲へあゆむ(山頭火)


ガスが出たり消えたりするが晴れると強烈な日差しが 照りつける。 さあこれからこの旅の最難関2000mを一気に下る。 5時間半ほどで新穂高温泉に到着。
橋の下の無料の露天風呂が賑わっている。 が、石鹸を使いたいので日帰り温泉に行くことにする。 冷えたコーラを飲んで車の回収に向かう。往復の長く感じたこと!


小倉谷は下部のエメラルドグリーンの釜や流れ、美しい滝や 迫力ある大滝の連続、高巻、泳ぎ、滝の登攀などいろいろな要素の 詰まったすばらしい谷であった。 緊張する場所もあったが思い出に残る楽しい沢旅となった。
山のよろしさ水のよろしさ人のよろしさ(山頭火)